4月26-27日(2日間)にFOMC(米連邦公開市場委員会)と日銀金融政策決定会合を控えている。新興国に続いて、主要国でも景気テコ入れの量的緩和策から、インフレ懸念に対応するため出口戦略もしくは利上げへの方向転換へのプロセスを消化しつつある。特にFRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策の方向性は世界的に注目されており、金融市場に多大な影響を与える。一方の日銀は、景気回復が遅れたうえ東日本大震災や福島原発問題があり他の主要国同様に出口戦略への移行はできず、より一層の量的緩和が期待されている。日米の金融政策会合は米ドルや円の行方を占う上で、重要な方向性を示す可能性がある。
今回のFOMC声明文では、「以前に発表した通り、FRBによる6000億ドルの財務省証券買い入れは6月末で完了となろう」と第一弾量的緩和(QE1)の終了時と同様の記述を用い、予定通りの第二弾量的緩和(QE2)の終了を示唆して、延長の可能性のないことを明確にするとの見方がある一方で、今回の会合で6月末の終了を正式に表明する必要がないことから、これまでの声明文にあった「6000億ドルのより長期の国債を2011 年第2 四半期末までに購入するつもりである」という文言はそのまま維持される可能性を指摘する見方もある。もちろん市場への影響は避けられないが、6月末のQE2が予定通り終了する可能性は非常に高く、終了が示唆されても特段のサプライズにはならないのではとの見方がある。また、日米の金融政策決定が直ちに本格的な米ドル高/円安につながる可能性が後退しつつあり、米国景気の減速懸念が米金利上昇期待の後退を助長している感がある。また先週18日にS&Pが、米政局のねじれ現象を理由に米国債の見通し引き下げを行った。オバマ政権は、下院で多数を占める共和党との政治的駆け引きで財政再建路線を打ち出さなければならず、歳出削減に消極的な民主党内の説得にも今回の格下げは、危機感を演出することができる。財政再建路線が本格化すれば米ドルにとって先々プラスの材料となると思われるが、現時点では足元の景気回復の遅れから、FRBの金融緩和長期化に対する期待は高まりやすく、米長期金利も下げやすい。日米の金利差による米ドルへの下げ圧力が高まる可能性もある。
一方、日銀の金融政策決定では、国債買入れ増額や資産買入枠拡大といった本格的緩和策を見送って復興支援のための金融機関への低利貸出の詳細決定にとどめるとの予想があるが、これだけでは円安効果は期待できない。ただ今後も追加緩和の期待は維持される。また、今回も金融政策決定直前に円高が進行すれば、本格的緩和策に踏み切る可能性が高くなると見ている。例えば、日銀は今後2-3カ月のうちに追加緩和(国債買い入れ増額の可能性)を行うとの 見方などがある。
いずれにせよ、米国FRB のQE2が6月末に終了する一方で、日銀の緩和姿勢はさらに長期化すると思われ、金融引き締めでも日銀はFRB にかなり遅れをとるのは確実とみられるため、中期的に米ドル高/円安見通しには変わりない。今回の注目点として、1913年に始まったFRBの歴史上初めてとなるFOMC後のFRB議長による定例記者会見が開かれる。FRBは声明で「定例記者会見の開始は、金融政策に関するFRBのコミュニケーションを一段と明確、かつタイムリーに行うことを目的としている」とした。FRB議長が定例会見を開くことで、決定されたばかりの金融政策を最初に説明する機会を持て、日本や欧州の中銀総裁と同様、市場の観測の誘導ないし修正が可能となる。今回バーナンキFRB議長は、将来の出口政策の手段について語る可能性はあるが、その時期については言及しないとみている。会見の模様は、FRBのウェブサイト上で生中継される。